ローカルハンター ヒロ

全国を旅しながら農業や田舎の情報発信をしていきます。

耕作放棄地の再考

ども。

 

渋谷に昼ついたのはいいものの、何をしていいのかわからずにハチ公像前で1時間ほど立ち尽くしていた白方です。このクソ暑い中、街行く人々をただひたすら見続けるという苦行を自分に課していました。

 

さて、「日本の農業の問題」というと耳にタコができるどころかもはやタコの養殖場になっているといっても過言ではない耕作放棄地」問題。

 

ただ、漠然と耕作放棄地といっても課題解決の優先度やそもそも再度耕す必要があるのかなど一概に対処できない問題でもあります。これは他の問題(生産人口の減少、高齢化など)にも通じることです。

 

まず発生している場所を二分化してみると、

 

1 比較的都市部に近く、人口が多い町

 

2 過疎化が進行していることに加え、生産人口の高齢化が著しく進んでいる中山間などの農村地帯

 

に絞れると思います。

 

1 の課題としては、就農者(特に新規就農者)と農地のマッチングによってアプローチできるかと思います。農業は技術職の色が濃いので、参入障壁が思った以上に高いです。どのようにして生産人口を増やすために導いていけるかが解決に向けての一歩になるのではないでしょうか。また、既存の農業経営者の所有する農地に集約していくこともできるかと思います。

 

 

2 に関しては、上記のアプローチに加え、そもそも耕す必要があるのかを再度考え直す必要があると考えます。特に中山間に見受けられる耕作放棄地は日中影に隠れていたり、車や機械が入りにくかったりして、そもそも農地に適しているのか、と疑問を投げかけてきます。

 

耕作放棄地を活用することももちろん必要です。しかし、適・不適があるのでそれを全て再び農地として活用することは現実的に厳しさがあります。現実論で語りたくはないですが、耕す就農者たちは資本主義経済体制の中で、農業という経済活動を行わなければなりません。農業に明らかに不適な土地は他の活用の仕方を考える、あるいは自然に返すことも視野に入れる必要があるのではないでしょうか。そもそも農業は自然と調和する産業ではなく、自然から収奪して開拓した破壊的産業であるのですから。

 

耕作放棄地問題のまずとっかかりとして、その農地が農業に適しているのかを検証することから始めなければならないでしょう。現場の生産人口の数もかぎられていますからね。「農業」として活用するのではなく、地域の所有物として地域の子どもたち、高齢者とが一緒に耕してコミュニケーションをとり、文化継承などをしていくなど既存の経済評価軸から逸脱した農地の理活用の仕方も考える余地は大いにあるのではないでしょうか。