プロローグ閉幕。
ども。
この出だしを使い始めてもう1年経とうとしています。まるで時が自分の存在を薄めていくかのような早さで過ぎ去っていくのを肌でひしひしと感じています。
本日7月25日を持ちまして無事に家に到着したことを報告させていただきます。
まずはこの約1年間、様々な形で協力してくださった方、応援してくださった方、相談に乗ってくれた方、そして何より、この自分のチャレンジに対して最大限のサポートと快く送り出してくれた家族に感謝したいです。ありがとうございました。
この旅を終えて
ひとまず区切りとして、今回の旅は終わりました。ただ、行けなかった九州や日程的に伺えなかった農業経営者の方もたくさんいるので後日、休日や長期休暇を活用して伺えたらな、と思っております。旅そのものはまだまだ続きます。
さて、ひと段落したところで、今特に感じていることが2つあります。それは覚悟の必要性と農業の可能性です。
もしこの旅をせずして就農していたら、恐らくものの数年で挫折していたと思います。農業は常に自然と相対しています。何が起こるかわからない、未知の未来が広がっています。毎日が不安との闘いです。自然災害によって、収穫目前にした作物が水の泡になることもありますし、天候不順でそもそも結実しない、なんてことも実例として聞きました。そういった不安とどう向き合っていくか。
この旅の初めにお世話になった農家さんが「お前は覚悟があるのか」と聞いてきました。正直、今も覚悟が決まっているかと言われればそうでは決してありません。ただ、現時点で責任を持たずして農業をしている自分にとって、そんな覚悟は薄っぺらいものに過ぎないと思います。これからより農業と時間をともにすることによって、ゆっくり覚悟を決めていきたいと思ってます。
そして改めて感じた農業の可能性。それは現場で不断に思考されている農業経営者の方々を目の当たりにしてきたからこそ感じたものです。
毎日作業内容を見直し、効率よくするためにはどうすればいいのか。収量を上げるためにどのように施肥設計を、栽培管理をすればいいのか。そしてその価値ある作物をどのようにして多くのお客さんに届けていくのか。
5年10年試行錯誤し続けしながらひたすらに改善を重ねる農業経営者の姿に、僕は日本の農業の未来に一筋の希望を感じざるを得ませんでした。そしてそんな先輩方に尊敬の念と誇りを抱いています。
将来へ・・・。
僕が将来成し遂げたいこと。それは、世界平和を実現することです。
平和について考えるようになったのは、以前台湾にボートレースの国際イベントに参加した際に、イスラエルの方が「平和」と強く言われていたことがきっかけでした。
恐らく一般的な平和の解釈として「武力闘争(戦争や紛争など)が生じていない」状態のことを指していると思います。
では、日本は今本当に平和な状態なのでしょうか。憂さ晴らしのための殺人事件、差別、格差問題、そして何より家族、地域間でのコミュニケーションが減少しつつあることが相互不信の状態を生み出しているのではないでしょうか。これらの問題を抱える日本が本当に平和な状態であると果たして言えるでしょうか。僕にはそう思えませんでした。
僕がそれらの問題に対してどうアプローチ、いや自分の好きな農業でどのようにして解決に向かえるのか、一年間思考し続けてきました。
世界は各国から構成され、各国は地方、地域、家族と縮小されていきます。僕はまず、家族というコミュニティから平和にしていこうと思いました。なぜなら、各家族が平和になれば、それが地域を創り、はたまた国、世界と自然に拡大していくからです。
僕は大学卒業後、柑橘を作る農業法人に入って5年間修行し、愛媛で独立して柑橘の生産をします。柑橘のイメージと言えば、冬のこたつを囲んだ家族が会話をしながら食べる姿が目に浮かびます。つまり、柑橘が言語コミュニケーションの媒介者としての役割を担っているのではないでしょうか。
その役割をもってして、僕の作った柑橘が言語コミュニケーションを円滑にし、相互不信の状態を脱却、そしてお互いが信頼し合い、幸福へ向かい合えるような場を演出します。
僕はそんな柑橘で家族を、そして地域、日本、世界を柑橘という光で照らしたい。
僕の作る最高の柑橘で世界に平和をもたらしたい。
そんな理念の下、農業を営んでいきたいと思います。
この1年はもしかしたらプロローグに過ぎなかったのかもしれません。当然ながら、経験=学びではありません。この経験をもとに僕にしか持ちえない言葉を創り、そしてそれを社会に還元すべく行動していきます。
改めまして、一年間本当にお世話になりました。これから僕の序章の幕が切って落とされます。
今後ともよろしくお願いいたします。
白方大海