ローカルハンター ヒロ

全国を旅しながら農業や田舎の情報発信をしていきます。

「覇王の家」読了

ども。

 

8月の終わりと言えども、まだまだ暑さが続きますね。けどこの暑さも去る頃には名残惜しまれるんだろうな、と考えるとなんだか少し儚さも感じますね。

 

さて、毎度お馴染みの司馬作品の書評です。

 

 

 

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今回は「覇王の家」を読了しました。前回読了した「国盗り物語」から時間が経っているのは、他の本と同時並行しながら読んでいたからです。

 

他の人から納得されないのですが、5、6冊ほど同時に読んでおります。というのも、分からなくなったら他の本に移行する、みたいな。思考できない未知なる問いはいくら考えてもその時点では答えは出せないので、他の本を読みつつも日常の中で思考していく、あるいは他の人に話を聞く、的な感じで常に5、6冊ほど平行して読んでます。

 

それらも今後は書評としてアップできたらと思うので、ぜひお楽しみに。

 

 

 

さてさて少し脱線しましたが、以下の人柄を見てみてください。

 

保守派、閉鎖的、身内には親切だけど部外者には牙を立てる・・・。

 

巷でよく聞く「老害」だなんて揶揄されてしまいそうですが、まあ日本人の気質にやや近いのではと思うところもありますよね。この日本人的気質は一体いつから芽生えたのでしょうか。

 

先の気質は実は徳川家康を表したものなんですね。家康単体のみがそうであったわけではなく、彼が育った三河の人々がそんな気質であったのです。信長、秀吉、そしてこの家康が戦国時代の三英傑としてよく並べられますが、「関ヶ原」を以前読んだ際に家康のなんと華の無さ、豪快さに欠ける事に驚かされました。天下を手中に収めた家康が、ですよ。その気質の背景として、戦国の華とも言える信長や秀吉は商業都市であった尾張で活躍していましたが、家康の故郷三河は辺り一面に広がる田畑を耕す農耕民族であったというわけです。

 

なんだか「覇王」と言うと足利尊氏織田信長を連想してしまいそうですが、この小説で描かれているのは徳川家康なんです。彼の気質、生まれ育った三河という地の人々の空気感をありありと描いた物語です。現代の日本人的気質はまさにこの家康を筆頭とする三河武士団の気質を脈々と受け継いでいるものなのでしょう。江戸時代の鎖国をはじめとする様々な施策や事件が彼らの思想から強く影響受けているのを考えるとさらに面白くなると思います。

 

そして彼の気質が作ったと言っても過言ではない江戸時代から現代に至るまでその日本人的気質は変わることなく受け継がれていると僕は思います。すると、江戸時代以前はどんな気質であったのか、なぜ変わることなく受け継がれてきたのか、はたまた奥深い問いへと誘なわれそうです。

 

意外とサクッと読めるので、ぜひ読んでみてください。

 

では。